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目次 夏子の酒・奈津の蔵
尾瀬先生との作品との出会い
また作者の尾瀬先生との出会いを綴っています。

尾瀬あきらさん公式HP


はじめに 夏子の酒 奈津の蔵 頂き物 尾瀬先生エッセイ 色々な想い*掲示板
夏子の酒


『夏子の酒』は、日本酒を題材にしたマンガの代表作です。
私が一番最初に読んだ日本酒に関わる本でもあります。

以前、和久井映見さんと萩原聖人さんでドラマ化された事もあります。

小さな造り酒屋の娘夏子は、亡き兄の遺志を継ぎ、東京での仕事を辞め
兄が造りたかった日本酒を醸すべく実家へ帰ってきます。

最後に兄が残した酒造米「龍錦」でお日様みたいな日本酒を造りたいと・・・

夏子はどんな困難にもめげず、一途で、一生懸命で、そんな夏子の周りには
段々と理解者が増え、まさに最後は和醸良酒から生まれでた
最高のお酒が出来上がります。






日本酒の事を何も知らない私に、自分の家の家業をそれとなく知ってほしいと
思った夫は、当時付き合い始めて間もない私に『夏子の酒』を貸してくれました。

その年の冬から、夫は営業部門から、清酒製造部門に移動になり、
スーツから作業着に仕事着を変え、初めての造りを経験しました。

この年にちょうど『夏子の酒』がドラマ化され、自分も酒造り真っ最中だった夫は
毎回ビデオに撮って観ていたそうです。

夫にとって、『夏子の酒』との出会いは、大学3年生の時。
当時、東京農大醸造学科に在学していた夫にとって、
『夏子の酒』は衝撃的なものだったそうです。

「造り酒屋がテーマの漫画はめずらしい・・・こんなマンガがあるんだ。」

農大の学生が持つ酒造りの考え方、意識さえも変えた漫画だと言っています。
もちろん一般の人の日本酒のイメージ自体をも大きく変え、
幅広い層に興味を持たせたと。

酒造業界とはなんら関係のないところで生まれ育った人の職業の選択肢の中に、
蔵人になりたいという、今までは考えられなかった意識をも
生み出した『夏子の酒』。

夫は、今までに
「俺は草壁だ!」
という、農大出身の蔵人さんに数人遭遇したそうです(笑
彼らは、元々は酒造業界とはなんら縁のない方々で、
蔵元でもなく、蔵人経験があったわけでもなく、草壁のように畑違いのところから
日本酒の魅力に取り付かれて蔵へ入った方々だと聞きました。

そんな夫が『夏子の酒』の中で一番印象深いところは
じっちゃんが亡くなったところだそうです。
ここばかりは涙がこらえきれなかったとか・・・笑

また、美泉が本当にあるお酒だったとしたら
社長の人柄や杜氏さん、また立地条件から美泉というお酒はこういう酒だろうと
夫の中ではイメージがあるそうです。

でも、やはり一番飲んでみたい酒となると
最後に草壁が醸した吟醸!蘇った吟醸Nとは・・・
じっちゃんが造った欠点のない酒のさらに上の酒とはどういうものなのか
飲み比べてみたい・・・と言っています。

この文を書くにあたって、夫は『夏子の酒』を全巻持ってきて
それは嬉しそうに読みかえしていました。
「ずいぶん、年季がはいっちゃったな・・・」
なんていいながら。

『夏子の酒』は、マンガを読まない夫が、独身時代唯一持っていたマンガでした。



夫の修行期間が終わると同時に、私達の結婚が決まり、
初めて夫の生家である蔵へ入った時
薄暗く静まり返った蔵の中に響く、モロミのプチプチという音の中で
私はこれから自分の肩にかかってくるであろう重圧をヒシヒシと感じました。

私にとって蔵で初めて迎える冬、
初めて見る蒸し米や、麹、モロミ。

そこには、『夏子の酒』の世界が私の日常として当たり前に存在していました。

私が初めて『夏子の酒』を読んだ時は、
難しくて半分は分からないまま読んでいました。
夫の願いも届かず?日本酒の事はさておき、
夏子と草壁がどうなっていくのかそればかりが気になってたり(笑

結婚して、自分が蔵へ入ってからは、今度は逆に辛くて読めませんでした。
蔵元へ嫁いできた事を後悔ばかりしていて、日本酒から背を背けていた
私だったので・・・

そして、今、こういう形で少しずつ蔵と日本酒を受け入れる事ができるようになって、
改めて読んだ『夏子の酒』。

以前、夫が私に読んでほしいと言った気持ちがすごく分かりました。
米、麹、もろみ・・・そういった言葉がごく自然に自分の中に入ってきます。
造りの段階なども、目の当たりにしていると、
「そうそう、分かる分かる・・・」
っと言った感じでマンガを読んでいてもリアルに絵が浮かびます。

例えて言うと、夏子と草壁が作業しながら話しているシーンがあるのですが、
その作業が何をしているのか説明書きのないシーンをみて
「あぁ、汲みかけを二人でしてるんだなぁ〜」
なんて考えながらいる自分に自分で気がついて驚いたり。

また、印象に残ったのは
「日本酒は、その味を、良さを、知らなすぎる人々によって支えられている。」
と言うところです。
味も分からずに、置く酒販店。安くて酔えさえすればいいやで買う消費者。
いい酒を造っていても、大きく広告を掲げている大手メーカーの安酒に
負けてしまう悔しさ。

もちろん、こだわりがあり、自分の足で良酒を探し、親身になって
蔵元を盛り立ててくれる酒販店さん、消費者の方も沢山知っています。

そういう方々に励まされ、喜んでほしいと願ってお酒造りに携わっているわけで。

あぁ、私はいつの間に、こんなにこの蔵に染まってしまっていたのでしょう・・・笑
目の前で、一生懸命日本酒を造り、お酒の事となると、熱く語りだす夫に
いつの間にか影響されてしまっているのかもしれません。

ここにいるのなら、蔵元の嫁としての自分の人生を、意味あるものにしたい。
ただ流されて、蔵元へいても日本酒の事を何も知らず過ごすのではなく、
どっぷりはまってみるのもいいかもしれません(笑

息子が生まれ、夜鳴きをするとおぶって蔵の中を歩いたりもしました。
歩くようになった息子が、蔵の中を危なっかしい足取りで歩いたり、
自転車に乗れるようになると、自転車で走り回って怒られたりもしました。

小学生になった息子は、今、父親についてお酒造りの手伝いをします。
強要されるわけでもなく、自然と酒造りと言うものを自分の生活の一部として
受け入れています。
こうして跡継ぎは育っていくのだろうと目を細めて見守っている毎日です。



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