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目次 夏子の酒・奈津の蔵
尾瀬先生との作品との出会い
また作者の尾瀬先生との出会いを綴っています。

尾瀬あきらさん公式HP


はじめに 夏子の酒 奈津の蔵 頂き物 尾瀬先生エッセイ 色々な想い*掲示板
奈津の蔵


『奈津の蔵』は、『夏子の酒』の続編で、夏子のおばあちゃんが主役のお話です。
昭和初期から、戦時中の蔵の様子が書かれており、昔の蔵の様子が垣間見れます。

奈津の夫は、吟醸酒を造る為に、村へ電気を引き、精米機を導入し、
当時では考えられない位に米を磨き、全国鑑評会への出品に挑みます。
失敗を繰り返しながらも、鑑評会で賞をもらえるまでになっていきます。

一方、奈津は嫁いできてすぐ、何も知らず、当時は女人禁制の蔵へ入ってしまいます。
その時から、奈津は酒造りに興味を持ち、義両親の反対の中、
酒造りの本を読みふける日々が続きます。

夏子の酒造りの情熱は、祖母である奈津譲りなのかもしれませんね(笑

今と違って、強い男尊女卑の時代の中、女の自己主張は認められず、
耐える事が美徳と言われていた時代。
女には穢れがあると言われ、蔵へ入る事も許されませんでした。

同じ人間で、まして同じ国に生まれていても男と女の違いだけで
女の自由は少なかったのです。

けれど戦争が始まり、男手が足りなくなると、『人手不足』と言う現実の前に
蔵へ女性が入る事が許されます。
女の穢れと言うものが一体なんだったのか語られないままに
時代の大きな流れに、何もかもが形を変えていきました。

戦争という大きな犠牲を払って
日本は成長したのかもしれません。

奈津も、戦争によって夫と娘を亡くします。
夫の最後の願いを叶えようと、女の細腕で蔵を守り抜きます。

物語が始まってからずっと奈津は、自分に与えられた運命を
自分なりに懸命に受け止めて自分の精神のギリギリのところで
生きていたように思います。

人生の中で、一番幸せな時間が
息子(夏子の父親)に蔵を任せ、孫達(夏子達)と過ごした時間だったという奈津。
蔵にいては、いつもいつも自分との戦いの中、休む暇もなく
夢中で生きていたのでしょう。





私も奈津と同じく、日本酒の事などなにも知らずに蔵へお嫁に来ました。
奈津の生きた時代背景とは大きく違う中に生きていますが
蔵元の嫁として、自分の周りにいる友達と同じような生活を望んでも
私には手に入らないものとなってしまいました。

私は、奈津や夏子のように蔵の第一線の中で酒造りに携わったり
利き酒の能力に恵まれているわけではないですが
蔵で生きている限り、自分の出来る何らかの形で
日本酒の和を広げていけたらいいと思っています。




義祖母も、ちょうど奈津と同年代で、同じような歳に蔵元へ嫁ぎいできました。
もちろん蔵元へ嫁いで来てから戦争も農地解放も経験しています。
自分の子供も、年の離れた義兄弟もいる中で生活してきた人です。
奈津の蔵を読んでいて、私の中では、おばあちゃんと重なる部分が
沢山ありました。

先日、おばあちゃんに
『亡くなったおじいちゃんは、戦争へ行かなかったの?』
と、聞くと
『おじいちゃんは、背の小さい人で、健康診断でひっかかって、徴兵されなかったのよ。』
ということでした。
もし、亡くなったおじいちゃんがもう少し背の高い人であったら、
おばあちゃんも奈津と同じような苦労をしたかもしれません。

今、おばあちゃんは病院のベットで、奈津の蔵を読んでいます。

おばあちゃんに奈津の蔵を読んでの感想を聞くと

「私も、このお話と同じようだったのよ。精米機を買って、近くの蔵元さんと三軒分を精米した
り、木の大きな仕込み樽から、タンクへ変わっていったりした時代。
蔵人さんの仕込み歌も随分聴いたわね。
お嫁に来た当時は、義妹がまだ4歳で、なかなかなついてくれなくて。
住み込みのお手伝いさんもいたし、囲炉裏もあった。
戦争中は、男手がなく、やっぱりそれまでは入る事が許されなかった蔵へ初めて入ったわ。
女が蔵の中にゴザを広げて、蒸米を運んで冷ましたり・・・。」

そんなおばあちゃんに、私は聞いてみました。

「おばあちゃんは、当時を思い出した時、楽しい思い出と辛かった思い出、
どっちを思い出すの?」

少し考えてからおばあちゃんは

「・・・辛かった事かなぁ。女は男に、家に、従わなくてはならない時代だったから・・・。」

奈津がそうであったように、おばあちゃんも一線を退いてからの方が
幸せだったのかな・・・

女に、『女らしく』ある事を強いていたのは「蔵」ではなく、「時代」だったのかもしれません。

現代においての、『女らしさ』とはどういうものなのでしょうか?
少なくとも、男に、家に従順な事を言うのではないと思います。

分かっている事は、今の女性は、多くの自由を手に入れ、
強く逞しくなった事は事実だと思います(笑



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